注染そめは液体の染料を使用するため、手捺染の顔料染めと比べて肌触りも良く、吸水性・通気性にもすぐれています
そのため使い込むほどに色が落ち着き、味わいが出ます
注染は日本独自の染色技法で、表裏全く同じ色に染色でき染料のにじみや混合による、ぼかしを活かして雅趣豊かな深みのある多彩な染色ができます
夏でも涼しく快適に着こなせてやわらかく自然な風合いを長く楽しめるように、すべて本染めにこだわりました
静岡県郷土工芸品に認定されている注染そめにより、焼津サティヴァの魚がしシャツは作られています
糊置き
生地に型紙をのせ、糊をヘラで塗りつけます
糊のついた所は染料が染み込まないので、この糊のことを防染糊とよびます
型紙の図柄の長さは約90センチで、糊置きするたびに折り返して重ね、また糊置きする作業をくりかえします
この生地の折り返し作業は相当な熟練を要する、とても重要な作業になります
注染そめ
糊置きした生地を注染台にのせ、防染糊がついていない部分にやかんで染料を注ぎ込んでいきます
生地を何反も重ねて行うので真空ポンプで吸引し、染液をよく浸透させるとともに余分な染液を吸い取ります
染料が生地の下側まで染み込み、色あざやかな美しい注染そめになります
水洗
注染が終わった生地はすぐに隣の水洗槽に入れ、よく開いて引き伸ばします
この作業に携わる職人のことを浜方(はまかた)ともいいます
水洗機で防染糊と余分な染料を、しっかりと洗い流します
乾燥
水洗いした布を脱水機にかけ、干し場でダラ干しにて自然乾燥させます
昔ながらの自然乾燥による干し方のため、とても良い風合いに仕上がります
これだけの生地が並ぶと、乾燥させている風景も迫力があり、いい雰囲気です